その日は前日の夜に少しだけ早く寝たせいか、自然といつもより早い時間に目が覚めた。二度寝をするだけの時間的余裕はあったのだが、それほど眠気もないしかといって家の中ですることも特にないので散歩に出かけることにした。

日中であればまだ暑く感じる気温も、早朝ではそれほどでもなくちょうど良いくらいであり、半袖に上着を着ていても心地よいくらいの温度であった。人通りはもちろん少ないし、車の通りもあまりないので耳障りな騒音も無く、普段は聞き逃しているようなハトの鳴き声なども聞こえてどこかノスタルジックな雰囲気を感じていた。

少し歩いたところに市営の公園があるのだが、たまたまその日が日曜日であったこともあり地元の農家などが集まる朝市をやっていた。朝市では野菜も多く取りそろえられているが、小さな花苗などを扱っていることもありその品目は様々だ。珍しい品物や農作物が比較的安価に手に入ることからいくらかの人が集まっており、落ち着いた雰囲気の早朝もその公園だけは目立った賑わいを見せていた。

私も少し朝市を覗いてみようと思い、軽い気持ちで公園に入って行った。農作物の中には旬のフルーツも売られており、美味しそうな大粒のブドウに目を取られてしまった。しばらく眺めていると、店主が「そのブドウ安くしとくよ」と声をかけてくれた。通常であれば2000円だしても買えないような品だったが、店主は1000円ポッキリでいいと言う。これほどの得は無いと思い、即決即断で購入したのだった。

早起きは三文の得というが、私にとっても心地よい中で散歩ができなおかつ好きなフルーツが格安で買えたというかなり得な早起きであった。